【冷めた】元カレは俺様の言う事に反論は許さないみたいな奴だった。私は脳の働きが鈍く、理解力や思考力がかなり乏しいので彼を知的な人だと勘違いしてて…。
それは別に構わない。ただ、ものすごく押し付けてくる奴だった。
彼の言い分は「全ての原発を今すぐ停止すべき」。
私が「今すぐは現実的じゃないけど将来的に無くなるといいね」とでも言おうものなら
「今すぐ全てを、に決まってるだろ!」とか、俺様の言う事に反論は許さないみたいな奴。
私は脳の働きが鈍く、理解力や思考力がかなり乏しいので
何かと小難しい事を言う彼を知的な人だと思い尊敬していたけど
自分の考えを「これは“正しいと思う”じゃない、“確実に正しい”。理解できない奴は全て低能のバカ」という姿勢が次第に露骨になり
反対反対と言うわりにはそのための具体策を示すこともなくて、コイツ屁理屈は言うけど理論的ではないな? と思い始めた。
ある時、ふと「反原発派になったのはいつから?」と訊ねると
「震災の後だけど!? バカにしてんの!?」と、もの凄く不機嫌になった。
何がそんなに気に触るんだろうと思ったらどうやら
『震災で大騒ぎされるまでなんとも思ってなかったニワカ反原発pgr』されるのは気分が悪い、らしかった。
別に今の信条に至るきっかけなんか何でもいいじゃん、と言うと何故か
「捕鯨やイルカ漁にはずっと前から反対してる!」という。
思いもしない方向から来たせいか思考がフリーズしてしまい、「私、鯨肉のおでん好き」と言ってしまった。
彼、むちゃくちゃ怒った。怒鳴ったりはしなかったけど顔を真っ赤にして
「低知能が」とか「お前んちの猫が三味線になればいい」とかぶつぶつ繰り返してた。
三味線の発言は流石にムカーッとしつつも、彼にとっては鯨肉のおでんは可愛がっているペットの皮を剥がれるのと同じくらい腹が立つ事なのかな? なんでだろう? と不思議に思い
「なんで鯨やイルカは獲っちゃダメなの?」と率直に訊くと
「知能が高いからに決まってんだろ、可哀想だから人間が守ってやるべき。当たり前」って呆れたような口調で言ってた。
なんて言われたら納得したかは自分でも分からないし私の理解力が足りないだけなのかもしれないけど
「知能が高い→ころしちゃダメ、知能が低い→ころしてOK」っていう発想が何様? と思ったし、
自分は特別に知能が高いと思い込んでるんだな~とか、そう言えばいつも鞄に英語かドイツ語の分厚い本が入ってるな~読んでるの一度も見たことないけど。とか頭をよぎって一気に冷めた。
別れる時は「お前からフるとか有り得ない。そんな事を言うお前は俺が捨てる」という謎のセリフを吐かれ
その後ちょっと粘着されたけど「自分で捨てた低知能を観察する暇人pgr」したらよほどプライドが傷ついたのか消えてった。