【修羅場】絵画の修復で食いつなぐ私を突然警察が訪ねてきた→私「なんでしょうか」警察「この写真に見覚えがないのか?」→警察が取り出した写真には…
私は画家をやっている。画家と言っても、たいして売れていない
絵画教室の講師とか古い絵画の修復とかで食いつなげているだけだ
個展も開いた事は何度かあるが、そんなに売れることはない
ある時、私のところに二人の警察官がやってきた。
これが修羅場
警察官が私に写真を見せた。写真には誰もがしる著名画家の絵が写っていた。
「・・・・・・の作品か」それだけ答えた。
警察は疑わしい声で私に見覚えがないのかと尋ねてくる
「有名画家の作品だから見覚えはあるが」と答えると、警官は目に見えて苛立った様子だ
それで私に絵のレントゲン写真を見せた。
そこには絵に私のサインがあった。
「確かにこの作品を模写した事はあります。」と答えたな
有名な作品を模写する事は画家ならよくあることだ。
確かに何年か前に絵を模写した事はあるが、著作権が切れた古い絵を模写しようが
売り飛ばそうがそれは法的にも何の問題もない。
あくまでそれを本物として売買する事が問題なのだ。
そんなことは警察官なら知っているだろう。
警察官はそれでも俺が誰にこの絵を売ったのだとか問い詰めてくる
ここまで来れば誰でもわかるだろうが。
どうやら私が模写した写真の絵が本物として売られたらしい
しかも私のサインを塗りつぶしてその上に偽造したサインをする念の入れようだ。
もともと習作として描いたものだから
絵を描いたのは何年も前の事だからよく憶えていなかったが
知人に譲ったのを思い出した。
仕方がないとその知人の名前を教える。それは私の田舎に住む老人だった。
警官はそれを聞くと幾つも尋問のような事をやって家を出て行った。
まったく失礼な話だ。