「騙された」とわかり、自分の馬鹿さ加減が情けなく、悔しく、そして苦しくて母の前で大泣きした。
引用元: https://kohada.5ch.net/test/read.cgi/kankon/1366491073/
幼稚園年長の頃そろばんを習っていた。
その教室でクリスマス会が開かれた。
幼稚園と小学生で数十人は集まっていたと思う。
オレンジジュースとお菓子が出て、暗算大会とかがあって
最後の方でプレゼントのくじ引きがあった。
前に出て番号を引き、その番号のプレゼントを次々に受け取って行った。
私のは上位の賞だったので鉛筆やペン、のり、メモ帳などが
沢山入った素敵な文房具セットだった。
本当に嬉しくて大金持ちになったような気分だった。
「三丁目の夕日」みたいな環境だったので我が家では文房具一つ一つが宝物だった。
何度も取り出しては眺め、なおしてはまた眺めて「早く家に持って帰って
お母さんに見せよう、妹には何か一つ分けてあげてもいいかな」と思っていた。
私の前の席には小学生の4〜5年生くらいのお姉さんが二人座っていた。
曜日が違ったみたいで、知った顔ではなかった。
その二人が何回か私を振り返っていたことを覚えている。
終わったあとでそういうことだったのかと気づいたのだけれど
そのときは別段何も思わなかった。
そして一人が私に「ねえ、これとそれ、かえっこしよ」
「こっちの方がたくさん入っているよ」みたいな事を話しかけてきた。
もう一人の人も「私ならかえっこする。
絶対こっちの方がいいもん」のような内容で薦めてきた。
私は素直に信じた。
「私が小さいからもっといいものを譲ってくれようとしているんだ、
なんて優しいお姉さんたちなんだろう」と。