思いもよらないところに仕事の大先生が居て、母に相談したい仕事の案件が山ほどある
引用元: https://kohada.open2ch.net/test/read.cgi/kankon/1620868464/
母は俺が小さい頃父より給料少なかったらしい。
父は趣味を自営業にしてそれなりに稼いでたそうだ。
俺が小2だった頃、母に対して父が「俺が稼いだ金を好きにしようと何が悪い!」とキレまくっていた時期があった。
俺にとっては何でも買ってくれる社長のお父さん凄い!って感じだったんだが、そんな偉大で立派な父がお金の事で母にそこまで怒っている意味が分からなくてガッカリしたのを覚えてる。
母はその頃から会社員に復帰して家事もやってくれた。
そして俺が就職して結婚して、妹や弟もそれに続いた頃、母は実家に帰ると交通費は要らないと言ってるのに
嫁や旦那に家族分渡そうとしたり、俺の子達に好きなもの買ってくれてやたら羽振り良く心配になってこっそり聞いた。
「実はあんたが成人した後からとっくにお父さんの年収超えてて、老後の資金は貯まってるの。
今は趣味で働いてるし私も家事育児で友達も少ないから、お金たくさんあるのよ」
って給与明細見たら今の俺じゃ行き着くまでに何年掛かるか分からない金額。
定年までまだあるし、更に退職金もあるから心配しないで。って。
俺一人が安心しても仕方ないから弟と妹も呼んだ。
名刺やら給与明細やらボーナス明細表やら見せて漸く納得した。
そこで、何でお父さんと離婚しなかったの?ってやっと聞けた。家事もしないし仕事しかしない。
そう聞いたら、俺が小二のあの揉めていた時期、父の事業が今後一切給料が上がらない事を予感してた母が疑問に思って指摘したそうだ。
父はそれに気付かなかった。
自営業で一人営業、どう考えても時間は足りないのに競争相手は居る、いずれ大企業がコストダウンを始めたら打ち止めどころか借金まみれになるぞと母は言った。
父はそれに対して品質で勝負をしてる、お客様第一でやってる仕事だから一生顧客には困らないと断言してて譲らず。
母は性能よりも量産体制の方がずっと安定してる、品質がいくら良くても一ヶ月に一回の納期なら
安くてそこそこのすぐ買えるものを買うのが本来の顧客のニーズだと言い返したそうだが納得しなかった。
今後インターネットで物が買える時代になったらどうするつもりだと言うと父は、当時PCが高価だったからあんなものが一般家庭まで普及する筈無いだろう!そんな事があるか!と言ったらしい。
母は将来破綻すると見越してて会社員に復帰したそう。
その後母の言った通りになり、大企業が大幅なコストダウン。
父の会社は品質は良いが後は母の言う通りで、安くてそこそこの他社の製品を見た父が項垂れてるのを見たら鬱憤が消えたそうだ。
母はそれを見て自分の言ってる事は間違って無かったと自信がついて自分の会社でそういう体制を築けたそう。
父のおかげで今の私の地位があるから、もうお父さんの事は良いんだよ、昔と給料変わってないところを見ると常連さんがまだついてるみたいだから
そのお客さんのために頑張ろうってやってるらしい。
色々と衝撃だった。
母が稼いでいることもそうだが、一番衝撃を受けたのは
父の作ってるものは確かに性能は凄くいい、材質も何もかも拘ってて凄く綺麗な製品。
触ってみると滑らかで指の引っ掛かりも無い。
対する大企業の製品は父のと価格がほぼ変わらないのに、角が取れてなくてバリはあるし性能もかなりイマイチ。
この製品を実物で見たら俺は父の製品を買うと思う。
だけど写真で見ると他社のものと同じなんだよ。
Amazonでこの二つの写真を並べられてどっちを買うか?ってなったら俺は次の日に届く方買うと思う。
母に言われて今の俺の仕事を振り返ると俺は全く父と同じ事をしてる。
思いもよらないところに仕事の大先生が居て、母に相談したい仕事の案件が山ほどある。