【ほっこり幽霊】浪人暮らししてた頃、東京の親戚の家の離れに暮らしてたことがある。 暮らし始めて1か月半ぐらい経った頃から、なんか変だなと思い始めた…
317: 本当にあった怖い名無し[sage] 2009/08/26(水) 18:08:00 ID:pL/6U0Xv0
全然、怖くない話。
俺が18歳から19歳にかけて浪人暮らししてた頃、東京の親戚の家の離れに暮らしてたことがある。
12畳ほどで、トイレと小さなキッチンはついているが、風呂は母屋に借りに行かなければならない。
でも、一応、クーラーはついてるし、冬は冷えたが灯油ファンヒーターもあった。
なによりテレビがなかったので、テレビっ子な俺は勉強がはかどった。
朝起きて予備校行ったら夕方まで帰ってこないわけだし、寝るだけの部屋としては十二分だった。
異変というか、変だなと思い始めたのは、暮らし始めて1か月半ぐらい経ち、梅雨になった頃。
夕飯を食べ、風呂を浴びて、それから2時間ほど机に向かっていると、背中の方で気配がする。
ラジオを聞いてると気にならないんだが、その日はたまたまラジオの電池が切れてたんで無音でやっていた。
どうしても背中の方の気配が気になって仕方がないので、後ろを振り向いたら…
見たこともない和服の婆さんが針仕事をしてた。
静かにちょこんと座って、正坐して背中を丸めながら、チクチクと。
俺は何が起きたか全く分からない。
本当に婆さんが静かにそこで針仕事をやってるだけ。
表情も穏やかで、怖くもなんともない。髪の毛も乱れひとつなくちゃんとしてる。
和服もちゃんとしてて、灰色っぽい感じの着物に、柿色の帯。