【衝撃】中学生の頃、両親の許可を得て日本犬をもらってきた私「この犬に『アルベール』か『シャルル』と名付けたいな~」両親&兄「そんな恥ずかしい名前で呼べるか!」→結果
私が中学生の時、友達の家で子犬が産まれたというので、両親の許可を得て一匹もらってきた
昔の田舎の家によくいた、日本犬の雑種
当時私はヨーロッパを舞台にしたロマンチックな少女漫画にはまっていたので
どこからどう見ても和風なこの犬に「アルベール」とか「シャルル」とか名づけようとした
しかし両親と兄から「そんな恥ずかしい名前で呼べるか」と却下された
私がむくれている間に、祖父が勝手に犬を「ボーズ」と呼び始めた
子犬ゆえ家のあちこちでいたずらばっかりしていたので「いたずら坊主」のボーズである
結局、犬の名前は「ボーズ」に落ち着いた
昼間学校や仕事で家にいない私たちより
仕事を引退して毎日家で暇になっていた祖父がボーズの面倒を一手に引き受けた
押しつけたわけじゃないよ、祖父が率先してやってくれてたの
ボーズは祖父を愛して愛して、祖父が自分以外のものに興味を持つことが許せなかったようで
祖父が庭で育てていた盆栽を敵認定した
盆栽は10鉢くらいあって、庭に置いた階段状の台に乗っていたのだけど
毎晩、人が寝静まるとボーズが出動して(うちのあたりでは、犬は番犬として庭で飼われていた)
盆栽の台によじ登ったり体当たりしたりして、鉢を地面に落としてしまう
そして一晩かけて鉢を転がしたりくわえたりして運び、縁の下に隠してしまうのだ
朝、祖父が起きてきて庭に出ると、盆栽の鉢が姿を消している
ボーズは何食わぬ顔をして「おはよーじいちゃん!」と飛んでくる
祖父は「こらボーズ!盆栽をどこへやった!」と叱る
ボーズは「バレた!」とびくっとして、縁の下から鉢をくわえてくる
じきに、ボーズが攻撃するのはくわえやすい形の一鉢だけになり
もうその鉢は元が何かわからなくなった枯れ木が植わってるだけになったんだけど
毎晩ボーズはその鉢を縁の下に隠し
朝、祖父が「ボーズ!盆栽!」と言うとボーズが「でへへ!」とその鉢を持って来るというお遊びになった
そこから12年の歳月が流れ、祖父は穏やかに旅立った
でもボーズは祖父がいなくなったことが理解できない
ボーズの世話は私が引き継いだんだけど、毎朝、庭で待っているボーズに「あれ?」という顔をされる
私相手には、「盆栽隠しごっこ」も仕掛けてこない
がっくり老け込んでしまったので、外で過ごすのはしんどいだろうと家の中にいさせることにした
もういたずらをすることもなく、日がな一日座布団の上で寝ているようになった
祖父が旅立って7か月後、ボーズも虹の橋を渡った
きっと祖父に会えて喜んでいるだろう
きっと元気だった頃のように、「じいちゃーん!」とすっ飛んで行ったんだろう
でもなあボーズ、天国には盆栽よりもっと強力なライバルがいるんだぞ
じいちゃんより10年も前に旅立って、じいちゃんを待っていたばあちゃんだ