【衝撃】職場で毎日軽く殴られてたA→ある日、『ドタドタドタ!』私『誰か階段で足踏み外した?』と思ってると、突然叫び声が聞こえて来た
その会社には新卒から入社して2年目の営業の、Aという男性がいたのだが、あとから入社した別のフロアの私が10分ほど様子見てるだけでわかるくらい仕事のできない人だった。
やれと言われたことをすぐ忘れると評判だった。
なので先輩達からはいじられまくっており、毎日軽く殴られていたそうだ。
たまたま用事があってAのフロアへ行くと、自分が通りたいのに気づかず椅子を下げて机の下の物を拾ってるのをみた女性社員が「あれー?通りたいのに通れないなー!誰かさん邪魔だなー!消えてほしいな!」と頭をガシガシ土足で踏んづけたりしていた。
それでもAと二人で話す機会があった時辛くないかと聞いてみると、なんとAは先輩たちが自分のことを可愛いから小突いたりしてくるんだと思っていた。
Aのおめでたい勘違いにより、普通なら訴えられてもおかしくないレベルのパワハラは見過ごされており、社長や役員に至ってはまるで気づいていなかった。
ところがある日、ドタドタドタ!という大きな音が階段の方からした。
誰か階段で足踏み外した?と思っていると、「わ!!A!お前どうした!」「救急車!」と上のフロアの人たちが叫んでいた。
慌てて見に行くと、血塗れのAが倒れていた。
私達で血を拭ったり、介抱したりと大騒ぎになった。
Aには労災が下りて、手術したあと元気に復活してまた先輩から殴られていた。先輩たちと一緒に「介抱してくれてありがとうございました」とお礼にお菓子詰め合わせを持ってきた。
先輩達もAに優しくしており、「お前の命が無事でまじで良かったよ!」と肩を組んでいて、怪我の功名というべきかいい雰囲気になっていた。
で、階段は急な上に手すりも無く、階段のストッパーなども結構ボロボロになっていたので、「直せていたらAはあんな怪我をしなくて済んだのに」「親御さんにも申し訳がたたん」とガチで落ち込んだ社長の指示で、すぐさま工事が入った。
そして数週間経ったある日、Aの部署の退職予定の人が、人事にとんでもないことを言い出した。
Aは階段から落ちたのではなく、上のフロアで先輩からハンマーで殴られたというものだった。
いつもハンマーを振り上げて、あたるぎりぎりでストップして「ぶっ殺すぞ」とからかっていたらしい。
ところがあの日、勢いを間違えて頭に直撃してしまった。
大怪我をしたAを更に階段から突き落として事故に見せかけていたというものだった。
言われてみると、私が掃除したんだけど血の付き方が変だった。
普通、階段から落ちたなら、頭を打って出血した段階で血が床につくはず。
ところが私が見たときは、階段の1番上から血が付いていた。
それを私が話すと、社長自らAを呼び出して「本当に君は階段から落ちたのか」と問いただした。
Aは「階段から落ちました、間違いありません」と言っていたが、社長が私の話をそのまま伝えると黙ってしまい、しばらくの沈黙のあと、「すみません、本当は殴られました」「自分仕事できてないんで。仕方ないんです。処分とかはやめてください」と認めた(面会室の会話丸聞こえだった)。
うちのフロアの人たちは「犯罪じゃないっすか…」「あのフロアの人たちで口裏合わせてたってことだよね?」「A洗脳されてる」と真っ青。
社長ブチ切れ。Aにではなく先輩達に。
その時フロア内にいた社員全員に聞き取りが行われたが、当時Aの第一発見者となった先輩社員たちは「そんなことやってない」責任者は「自分も見ていたが、そんなことはなかった。Aの記憶が混乱してるのでは」と否定していた。
ところがAと同じフロアにいる、私と仲良くしていた女性が呼ばれた際、あっさりと「あー、殴られてましたよ。階段から落とされてました」と認めた。
彼女も「階段から落ちるなんて可哀想だわ」と言っていたのに、本当にびっくりした。
私が後で「何で言わなかったの!?犯罪じゃない!」と電話で聞くと、
「だって部署は違うもーん。Aの部署のことだから、そっちに合わせるの当然じゃん。ホントのこと言うのめんどいしwでもAが認めちゃったならしゃあないよねー」
と笑っていた。
手を下した先輩社員2名、そしてそれを見て止めなかったフロアの責任者はクビになった。
口裏合わせた社員は、先輩社員より年上で社歴もながい社員は減給処分。新卒やAの同期たちは「先輩社員を恐れた可能性」及びAの意向を考慮の上処分なし。
口裏合わせたフロアの人たちが普通に会社の集まりにも顔を出したり、「この後飲みに行きません?」と笑顔で誘ってくるのも怖かった。
一応言っておくと、その人たち以外はすごくまとも。社長も温厚で優しく、何かあるとすぐ褒めてくれる理想の社長だった。
だから余計怖かった。
もう20年近く前のこと。