【いい子】小学生の頃、授業参観は「福祉社会」についての作文を読む事だった。担任は「障害のある人には優しく」みたいな作文を期待してたんだと思うが、私達はクラスメイ
「福祉社会について書いた作文を読む」
(もっと簡単な言い方だったと思うが、趣旨は同じ)という内容だった。
担任は「障害のある人には優しくしよう」みたいな作文を期待してたんだと思うが、
私達はクラスメイト全員で事前に示し合わせて
「クラスのAちゃんは、先生にひいきされるのを嫌がっています。
先生は『障害のある人には優しくしろ』と言うけど、先生はAちゃんが嫌な事をしていいんでしょうか」
「Aちゃんは本が好きで休み時間も本を読みたいのに、
一人で本を読んでいると、仲間外れだと思われて
僕達が先生に怒られるので、学校で本が読めなくて困るそうです」
こんな感じの作文を書いて、途中で担任がヒス起こしても保護者がざわついても勝手に次々と読み上げた。
最終的にAちゃん本人が
「私は耳が不自由だけど、友達も沢山いて学校も楽しいので全然困りません。
それなのに、先生が私だけ特別扱いしてきます。
先生がいると、私は普通じゃないんだと思ってしまって悲しいです」
と読み上げたあたりで、担任が泣きながら教室から逃亡して授業が中断した。
Aちゃんは学期途中で親の仕事の都合で転入してきた子で、先天性の軽い難聴。
補聴器を付ければ支障は無いし、少し内気だけど頭が良くていい子なので誰も仲間外れになんかしてなかったのだが、
「障害者に優しい自分が大好き」な思想の担任が間違った方向に一人で突っ走っており、
小学生ながらに気持ち悪かったし、Aちゃんも皆もわりと本気で迷惑していた。
直談判しても、一方的に私達が悪者扱いされて一蹴された為の計画だった。
担任は辞めたのか知らんが、それ以降学校に来なかった。
AちゃんとAちゃん親には、校長から謝罪があったらしい。
Aちゃん親は後に学校に来て
「あなた達みたいな子達がAの友達で嬉しい」
と私達を褒めてくれ、気恥ずかしさで皆ニヤニヤしてた。
まだ「逆差別」って言葉が無かった頃の、クラス全員の武勇伝。