【いい話】私が物心つくまえに酔っ払って事故死したらしい父。義父が孫守りをする様子を見てるとふと父の事を思い出す

父は私が物心つく頃には居なかった
子供なりに何となく察して中々聞けなかったけど、『酒を飲まなければ良い人』だったらしい父は酔っ払って車に轢かれたらしい
母が毎晩遅くまで働く姿を見て育った私は、進学校だったけど高卒後就職した。
自動車学校費用も車も奨学金も全部自分で払った私に、母は未だに何もしてあげられなくてごめんねと謝るけど働いて給料を貰ったから自分で払ったまでだと突っぱねた。そもそも頼るという考えは毛頭なかった。
そして三十路手前になった私を娶ってくれた物好きとの子供が産まれ、同居の義両親が毎日メロメロになりながら孫守りする様子を見ていて時折父の事を思い出す。
小指の爪程に小さく写った父の顔しか知らないけど、旦那と子供を見せてあげたかったなぁと思ったら涙が止まらなくなった。
お父さんと呼んであげる事も、孫を抱かせてあげる事も出来なかった。酒なんか飲むからだよ、って生きてたら言えるのに。
だから私がいつか父に会ったらまずぶん殴ってやるんだ、私が来たからには金輪際酒なんか飲ませんぞって。